私は・・・
私はサイザーンス教会の、時の女神の像。
テイカテイカの村にいる。
時の女神ではない。
時の女神の像。
・・・それだけだ。
でも、祈りに来る奴はそれなりに多い。
困る・・・。
いや、ちょっとは聞き入れる事も出来るんだがな。
気まぐれで簡単な祈りを聞き入れる、その程度。
・・・今日はこんな奴らが来た。
まぁ、メモしてたわけじゃないから『大体こんな事を言っていた』ぐらいのものだが。
「時の女神様、おねがいします。
私が拾ったこのなぞぷよは、難しすぎて解けないんです。
誰か、解ける人を。
じゃないと気になって掃除も出来ません。
この町をもっとキレイにしたいんです。」
もうちょっとがんばれよ。
この辺の奴らがするなぞぷよは、かなり簡単そうだが?
・・・まぁいい。
この町をキレイにしたいなら、とりあえず聞き入れよう。
・・・手抜き五十パーセント程度で。
「目玉落としちゃったんだぁ・・・
どーかみつかりますよぅに・・・」
・・・女神は、アンデッドの願いを聞き入れていいものなのか?
まぁ・・・私は女神像だけれどな。
しかし、教会の床を汚すな・・・。
ゾンビなんだから仕方ないんだろうが、掃除する側の身にもなれ。
いや、私が掃除するんじゃないんだが。
「眠たいにゃん」「眠たいにゃん」
「寝すぎで眠いにゃん」「寝すぎで眠いにゃん」
「どーすればいいにゃん?」「どーすればいいにゃん?」
ある意味深刻だな。
どーでもいーが、まずはそのエコーをやめろ。
お前らずっと寝とけ。
腹減ったら起きて食べ物探してまた寝ろ。
・・・本当にそうすると太るぞ。
「おねがいです、私をなぞぷよマスターにしてください」
却下。
んなの難しすぎる。
というか自分で頑張れ。
ずるをするな。
・・・ところで、なぞぷよにマスターも何もない気がするのだが。
「西の塔・・・」
ん?
これは、私じゃないぞ。
「西の『イル・シュ・アの塔』の最上階へ、行くのです・・・」
・・・あ、後ろに小娘が隠れてる。
私のフリをして嘘の予言をするなど・・・。
後で天罰決定。
それも吹っ飛ばされて星になるぐらいの天罰だ。
・・・女神像が『天』罰をしていいのか?
「ボク、今回はなんだかあんまり出番が無いんです。
出番をください。」
ふん・・・。
んなの知らん。
・・・情報屋でもしとけ。
ていうかお前、なんで主役の地位を奪われてんだよ?
まぁ気長に頑張れ。
「ぐー」
こいつも一応祈ってるんだな・・・?
しかし何言ってるか分からん。
何考えてるかも分からん。
第一、悩んでなさそうじゃないか。
ていうか、脳みそがどこにあるかすら分からん。
「最近の若い奴は日本の心が足らんのじゃ。
どうしたら皆にわびさびをわかってもらえるのかのぅ・・・?」
・・・ここ、日本じゃないだろ。
あんたが日本すぎるだけ。
とりあえず、日本行けよ。
そしたら分かる人がちょろっとはいるんじゃないのか?
・・・日本への行き来はできるって聞いたぞ。
「のど渇いたよー・・・
ウーロンちゃってこの辺に売ってない?」
・・・おい。
どこの世界に女神像に烏龍茶のありかを聞く馬鹿がいるんだ。
ま・・・とりあえず、あの骨のところへ行って相手してやれ。
茶ならいくらでもくれるんじゃないか?
でも、こいつがいるって事はやっぱり日本へは行き来できるんだな。
「ぴょーんっ」
上の文字を読めばいいのか?
『こんなに自己主張しているのに気づいてくれない奴が多すぎる。
だから体を大きくしてほしい』
無理だ。
グロテスクだろうが。
「俺に似て、よく跳ねる奴をしらないか?」
いや・・・悪いが、しらん。
てか、私みたいにここにいるしかない奴に聞くなよ。
動ける奴に聞け。
・・・もしかして・・・ついさっきの奴か?
矢印と点のアイツ。
「くすん・・・
オンチって言われちゃいましたぁ・・・
歌をうまくしてください、お願いですぅ〜」
練習あるのみ、だ。
歌を歌うどころか動く事すら出来んから、いいアドバイスは出来んが。
あと、だれかに聞いて貰うってのは?
音程が外れたら教えてもらえ。
ま、がんばれ。
「ごほっごほっ・・・
風邪を治してほしいのじゃ〜」
無理だ。
医者へ行け。
てかそれ、不治の病か?
・・・あ、あそこで風邪引いてる奴発見。
これ以上他が感染しないうちにとっとと医者に行け。
「ももも〜
なぞぷよ簡単に解かれちゃったの〜」
で、何が言いたいんだ?
どうして欲しいんだ、私に。
またなぞぷよの腕あげて欲しいなんていうなよ。
ずるになるぞ。
とっととなぞぷよ修行しに行け。
「うぅ・・・なぞぷよを超あっさり解かれてしまったうえ、
落とした金貨まで取られてしまった・・・
どうにかしてくれ・・・」
あのなぁ。
だから一体どうして欲しいんだよ。
前の奴と同じくなぞぷよの腕あげて欲しいのか?
却下だ。
金貨を取り返して欲しいのか?
それも却下だからな。
「ルルー様ファンクラブに入らないか?」
それ女だろ。
女じゃなくて男に勧誘しろよ。
(それ以前の問題的に)冗談やめろ。
・・・あと、おまえ口調がはっきりしないんだが。
前は違う口調で喋ってたろ。
「ファンクラブ会長が困っておられる。
一体我はなんの役に立てばいいのであろうか・・・
お主、知らぬか?」
ああ、知らぬ。
ところでファンクラブ会長って、アイツか?
ついさっきの牛男。
・・・モグラと牛男に好かれる女・・・
モンスターなんだろうか。
「なかなかサタンさまファンクラブの会員も集まってきたわ。
なのに、サタンさまはアルルアルルといってばかり。
しかもアルル本人はサタンさまには興味はない、と・・・
ふざけてるわよね?」
いや、顔が分からんしな。
顔は知ってるかもしれないが、名前を聞く事はほとんどないし。
第一恋の感情というものもしらん。
なんでファンクラブを作るのかもな。
だからふざけてるかどうかなんて、言えないな。
「いっつもいっつもデカ足っていわれるんだーっ」
デカ足だからだろ。
色々大変だな・・・。
とりあえず、その足で相手蹴れ。
ただし、デカ足って言った相手に限り。
言ってない奴にやったら即天罰。
「この俺様のダンスをけなす奴がいるんだ。
みんな芸術がわからなすぎる。みんなに芸術を教えてやってくれ」
なんでそこで踊るんだ・・・。
しかもそのダンスを見る限り・・・なぁ。
芸術をみんなに教えたら、みんなに毛嫌いされるんじゃないか?
というわけで、そっちの事を思って却下。
だから帰れ。
「ボクの笛を聞いても踊らない耳が腐ったやつがいるんだーっ」
今日はこの手が多いなぁ・・・
笛を聞いても踊らない?
ついさっきの半漁人に会いに行けば?
・・・怒るかな。
『ボクの笛でそんな変な踊りをするなんてーっ』って。
「きぃっ」「かぁっ」「ぴぃっ」
私をその声でぶち壊す気か?
でも、アンデッドにしては教会を汚してないな。
願いかなえてやってもいいけど・・・
何言ってるのかわからん。
何しに来たんだ・・・
「伝説の箒が手に入りますように。
伝説の箒が手に入りますように。
伝説の箒が手に入りますように」
あ、ついさっきの小娘。
・・・イヤだね、誰が手に入らせるか。
伝説の箒ぶち壊しの呪いしてやる。
・・・ところで、私は流れ星じゃないんだぞ?
なんで三回いう必要があるんだ。
「包帯がっ、二十センチほど無くなってしまったのよさ。
見つけてほしいのよさ」
・・・私は何でも屋か。
包帯ぐるぐる巻きのお前からそんだけ取ったって変わらんだろうが。
たかが二十センチだろ?
二十センチ。
でもな・・・ゲームが違う気がするんだが。
と・・・まぁ、こんな所だ。
でもなぁ。
私の声が通じるわけでもないんだよな・・・。
こうやって、祈ってく人にツッコミを入れる。
それが私の仕事、というかなんというか・・・。
少なくとも、それが私の日課である事は確かだ。
・・・私は、そう思う。
あとがき
結局なんだったか不明な小説。
しかも、オチが思いつかなかったのでめっちゃくちゃ適当(汗)
時の女神『像』の口調は、神々しいなんて思えない・・・;
ただの男口調なだけ。
妹には「これシェゾ?」とまで言われた(爆)
ちなみに、コレ思いついたの期末テスト前。(爆死)
やっぱりテスト前は現実逃避したくなるのか・・・ι