「・・・う・・・」

うっすらと開いた目に入ってきたのは、青い空と、

その空に浮かぶ丸っこい雲。

「あれ・・?」

身体を起こしてきょろきょろ。

(おかしいな・・・)

ここから、相変わらず水を出してる噴水が見える。

よく見ればあのおいしい水があったあの噴水にも見えるけど、

でも、ここはこんなに狭くないし、第一空が見えるし

噴水の向こうには木が見える。

クルリ。

アルルが振り向くと、門と木の向こうに塔が見える。

「わ!?」

すぐ近くにみよちゃんとかフェイちゃんとか、みんなが倒れています!

「どどど、どういう事!?」

ためしにみよちゃんのほっぺに触ってみると。

(・・・うん、あったかいし、息してる。)

ぺちぺちと叩く。

「うーん・・・」

ごろんっとみよちゃんは転がっていきました。

「ぐえ」

そのしたでかずくんがつぶれてばたばたしています。

アルルはそっちに行こうとしましたが、かばんが妙に重くて動けません。

何が入っているのか見ようとしたところに、

ちょうど太陽が雲に隠れて暗くなります。

いや・・・それは雲じゃありません。

『合格。』

「え?」

アルルは上を向きます。

ちょうどアルルの体が影の中になるような位置に立っているその人は、

長ーい緑色の髪に二本の角、

顔に仮面の変な人。

『アルル・ナジャ、おまえは合格だ。』

ついでにえらそーな変な人。

この幼稚園の先生でもないのに。

「・・・おじさん、だれ?」

その思いっきり怪しい人に、アルルは聞きます。

『私の名は、マスクド・サタン。魔導学校の校長だ。

この幼稚園の生徒にカードに書かれている夢を見せた』

「?」

アルルの頭に二個か三個、クエスチョンマーク。

『そして・・・

夢の中で試験が終わり次第、目を覚ますようになっている。

アルルくん、君は一番乗りだ』

「え!?」

よく見ると、ほかの人はみんな眠っています。

『一番乗りのごほうびに、君には魔導学校の入学許可証を与える』

「え、えぇっ!?」

魔導学校と言うと世界の西の果てから東の果て、何百年も前の人ですら知っている

とっても有名でとってもすごい魔法の学校です。

「ホントに!?夢じゃないの!?」

『夢だと思うなら、頬をつねって確かめてみればよいのではないのか?』

「う、うん・・・」

アルルは頬に手を伸ばします。

ギュッ!

 

「あ・・・れ・・・?」

そこは・・・何か見慣れた場所。

シャッキリしない頭をふるうアルル。

頬がちょっと痛い。

「ボクの・・・家?」

それは確かにアルルの家でした。

「夢・・・?」

・・・そう、それは、夢。

今日は、幼稚園の卒園試験の最終日・・・

魔導の塔へ、挑戦する日。

イリュージョン・モンスターやトラップがあって怖いらしい塔へ挑戦する日。

 

 

アルルは幼稚園に着きました。

みんなが塔の前で待ってくれています。

みんなはアルルの姿を見ておしゃべりをやめ、

脇によけて道を作ります。

 

 

・・・しけんは きんちょーするので、胸が どきどきしています

 

・・・本当は足が がくがくしています

 

でも だからこそ

ゆうきを ふるいおこさないと

いけないと思います

 

 

 

 

 

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後書き

本当に、夢に出てきた話です。

・・・だんだん脚色が加わったんだけど。

少なくとも幻の国に入る前(くじ引きするところ)と出た後(サタンのところ)は付け加え。

で、アルルが神殿に入った所ぐらいからは本当に夢。

絶対に夢だったって覚えてるのはウィスプのところ。

赤色の暗い廊下ででっかいウィスプに襲われアルル怯える(爆)

 

最後にアルルのかばんが重かったのはあの中に絵本が入ってたから。

その本の内容も作ったけど・・・やめた。

複雑だったし。

 

あと、最後の文が 魔導1-2-3の1の引用なのをお詫び;

いや、攻略ページで見て(爆・ゲームは持ってない)妙に気に入ったから。

最後の

『恐ろしかった

 友達があんな姿になって〜

 そうすれば、みんなと会える

 みんなと会いたいから』

もだけど。

アルルの泣き顔も。

あとで別のサイトの見て。「しけんは〜」が微妙に違う;

どっちが正しいんだよぅι 卒園試験の話何個も出てるからそのせいか・・・?

 

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